ナカのイチの、ミシンの煙

“ナカのイチ”がヨーロッパ旅行を機に立ち上げたブログ。旅行初心者の方にとって分かりやすい資料になればな~という軽い気持ちのスタートです。お目汚しですがご寵愛ください。他に建物、漫画、映画、怪談(?)など

2017-08

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御本紹介 “今夜全てのバーで” 著:中島らも

You Tubeで河島英五を聞く機会があって2日間ほどの密かなMyブーム(死語)は“酒と泪と男と女”だったりした“ナカのイチ”です。

そんな訳で、いずれ「書こう書こう」と思っていた本書を今回、テーマが“酒”繋がり、ということで書こうと思います。


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題:今夜全てのバーで
著:中島らも
第13回吉川英治文学新人賞受賞



簡単なストーリ紹介は“講談社BOOK倶楽部”より拝借致します。

 薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような……。アルコールにとりつかれた男・小島容(いるる)が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。吉川英治文学新人賞受賞作。

故:中島らもサンはマルチな才能の持ち主であり、職業を説明することは非常に困難な方でした。



氏の肩書き紹介をざっくりしますと、

小説家、劇作家、役者、劇団座長、ミュージシャン、コピーライターなど等であり、落語の台本まで書いていたりと・・・・



そんな氏が書く小説は、本人の仕事人としてのこだわりとして“エンターテイメント職人”という言葉があったと記憶しておりますが、

氏の他の代表作で僕が一番好きな作品であり以前このブログで紹介した
“ガダラの豚”がありますが、コレについては100%娯楽エンターテイメント小説であることに対して、

今回紹介する“今夜全てのバーで”は文学という香りが色濃く、そしてこの作品一作品あることにより氏が公言する“小説家”である証しであるともいえると思います。



そして作品中身についての“ナカのイチ”感想ですけれど・・・



アル中小説と一般的に評されるけれども、僕としては“一種のハードボイルド小説”。

また、

酒に対する愛に満ち溢れている作品。

そして、

作品に全体に流れるニヒリズムの裏に見えるなにか“タナトス”的なもの。




主人公の小島容をとおして、氏自身のアル中病棟体験談、日本の社会における飲酒の問題点。また、氏の持つ酒に対する愛情、憎しみ、そしてそれらを包括したもっと大きな“なにか”。が見えます。

その“なにか”がおそらく作品ににじみ出る一種の雰囲気を形成しているんでしょうか?

うまくいえないけど「“なにか”≒“悲しみ”」みたいな感じ?




まぁ、正直、お酒というものに対し、またアル中であることに対して現実を突きつけた上で、冷静に分析し、悲しくも自嘲気味に美化しているところもありますので、その美化を素直に

“なんて美しい小説だ!”

なんて思われる人はもしかしたらアル中予備軍かもしれませんw

そして、この小説は吉川英治文学新人賞受賞をしたんですけれど、おそらく審査員の人たちも大層お酒が好きであったことと思います。
※たしか当時の審査員で、この作品を一番受賞に推したのは野坂 昭如氏で、そんな氏もたいそうな“酒好き”です。


もちろん、氏のモットーはエンターテイメントであるので、“笑い”の箇所は作中にちりばめられており、主人公の死んだ友人が残した忘れ形見の妹との掛け合い、アル中病棟で出会う様々な人々の様子。などなど、“さっすが!押えてるよな~”と、シッカリとエンタエンタしております♪

ちなみに僕がこの小説で一番記憶に残っている文章は、小説最後のくだり。


主人公:小島容が病院から退院して、Barで牛乳を注文して、亡き友人の妹と少し良い雰囲気になっている時のラストシーンで(というか小説の最後です。)




さやかが、高いスツールの脚を思いっきり蹴った。おれはなんとか平衡を保とうとしたが、そのままゆっくりと後ろへ倒れ込んでいった。

もうすぐバーの後壁にゴンと頭をぶつけるにちがいない。昔、酔っ払ってよくやったように。

いまこの瞬間も、何百、何千という酔っ払いが、同じ事をやっているのだろう。今夜、紫煙にけむるすべてのバーで。

ミルクの杯を高くかかげて、地上へ倒れていきながら、おれは連中のために呟いた。

 「乾杯(スコール)!」




面白くも泣けます。そして個人的にはこのラストシーンは最高でした。




お酒を飲む方、また身近でお酒を飲む方がいらっしゃる方。
そんな方々にオススメ致します。

またこの作品を読まれた皆さん。そして、故・中島らも氏に

乾杯(スコール)!

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