ナカのイチの、ミシンの煙

“ナカのイチ”がヨーロッパ旅行を機に立ち上げたブログ。旅行初心者の方にとって分かりやすい資料になればな~という軽い気持ちのスタートです。お目汚しですがご寵愛ください。他に建物、漫画、映画、怪談(?)など

2017-11

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書こう! 『ラナーク  四巻からなる伝記 』 レビュー

ラナーク


読み終えました。

『ラナーク 四巻からなる伝記』  国書刊行会  著:アラスター・グレイ

ハードカバーであり、かつ、1kgは十分あるであろう レンガ本
にして、

その内容も超・超・高密度
にして驚愕です。

なにせ、読み終える頃の僕の感想としては
凄すぎ・・・・・。
こんな小説って書こうと思ってスグに書けるもんなの???   
“書く”としたらどれくらいの期間で書けるの???

等など思いながら“あとがき”などを読んでいると、なんと

完成に20年かかったとか。。。

思わず納得。 

そんな作品が今回です。


レビューといっても僕の持つ“文学的ボキャブラリー”では適切な単語を当てはめることも難しい。

書評では、“ダンテ+カフカ+ジョイス+オーウェル+ブレイク+キャロル+α”とか“百科全書的ノヴェル”とか“半ば幻想、半ばリアリズム”とか・・・

しかし、ココでは自分の言葉で何とか噛砕いてレビューしてみようかと♪

※今回の記事は大量です!!ちかれました・・・



まず簡単に説明しますと、

この小説は大きく言うと、“4章(巻)からなる主人公:ラナークの伝記”です。

そして、その4巻の伝記が一冊の本に納められているとお考え下さい。

この、『ラナーク 四巻からなる伝記』という物語は第三巻から始まります。

物語は 第三巻→プロローグ→第一巻→第二巻→第四巻→エピローグ という順序です。

そして、本作の主人公は二人(?)
と言った方がこの時点では良いと思われ・・・

第三巻・第四巻の主人公はラナーク。そして青年期から壮年期まで。

第一巻・第二巻の主人公は芸術家を志すダンカン・ソーの幼年期から少年期。




ラナークの物語は荒廃した架空の町・アンサンクを主たる舞台にして、最初はアンサンクの街に到着するところから始まります。
この小説はありとあらゆるジャンルの要素を含んでいると、書評を見ると目につきますが、主にラナークの物語はこの小説の“幻想世界”を一手に引き受けています。

読み進めて行くごとに、いつのまにかラナークを取り巻く世界が夢の世界なのか現実世界なのか読み手である僕自身が分らなくなります・・・・。

“何時の間にこのおかしな世界に巻き込まれたのか?”数回、項を遡って読み直すこともしばしば。

本に酔う 感じ。 物語に酔う と言った感じ。 

そして“酔う”はまさしく“酔う”。
悪酔い とかの“”と同義語で。

腐臭漂う町の腐臭漂う人々。最初はこの街では“ある種まとも”にみえたラナークの新たな友人、スラッデンもいつしか、何かとてつもない悪意の塊を持つ“悪魔”に感じれてきたところで、ラナークを含めた町の人々の異常な病気。そして一人一人姿を消して行く。
ナメクジのようになったり、ラナークはラナークで体の一部から“竜”に変わる病気に置かされて・・・・・・


とまあ、こんな感じの三巻。

久々、酔いそうになりました^^
ひたすら陰鬱な幻想世界です・・・。

4巻はもう、なんだろう???この、恐ろしい展開の速度!!!主人公ラナークは・・・。

三巻・四巻は文章を見て、フルに想像力を働かせて映像化しながら読むのが正しい読み方ですよね♪




そして、第一巻~第二巻のダンカン・ソーを主人公にした物語は、少年の心理描写がただ、ひたすら生々しい。

舞台は第二次大戦後のグラスゴー。(現実世界!!

芸術をゆがんで愛し、他者をさげすみ、しかし他者を愛し、そして好きな女の子に好きと言えず、また振り向いて欲しい努力もするが、ゆがんだ自尊心も悪く働き、マスターベーションで気持ちを鎮め、それを不浄と思い、親を愛せど、親を泣かし・・・。

自尊心の高い少年の持つ“心の残酷さ”を、ひたすら少年を主眼において語られる一巻・二巻
は徐々に陰鬱度が増していきます。

読みながら“やばいって・・・やばいって・・・ソー・・・。お前このまま行き着いたらしまいには・・・”という予感は二巻の最後で恐ろしく的中。

人をうまく愛せないソーの破滅的な物語。




色々といいたいこともありますけど、この小説内容が異常に濃いんでレビューも、大変です。
※他のサイトの人のなどを見てみると、皆さん上手くまとめておられるな~ と。当方、ボキャ不足なり・・・。でも、どこを切り口にレビューしてもそれぞれ書けますよね、この本♪

作品自体を貫くテーマは一通り読んで感じることは“愛”。

ソーは上手く人を愛せなく、ラナークも同じく人を上手く愛せない。

ソーは攻撃的に愛を求め、それゆえ物語が重く、ラナークは愛することが下手(なのか?)といか基本的にソーより落ち着いた人間であるので受身なところもあり、それゆえに読者である僕自身も応援したい気持ちが生まれる余裕があるので、僕は個人的にはラナークの物語の方が
好きです。

ラナークの場合、パートナーのリマにも問題が大きくある気がしますし^^




ラナークとソーの関係はこれから読み始める人のためにハッキリをお答することは出来ませんけど、物語の途中で絡み合います。

例えは下手ですが、また、コレを例えに持ってくること自体読んでいない方に申し訳ない気持ちもありますけど、春樹氏の“世界の終わりとハードボイルドワンダーランド”に10%程近い要素があるかも・・・です(なんやソレ!

ラナークもソーもそれぞれ別の世界観を持つ・・・というか、ソーの物語は第二次大戦のグラスゴーですし・・・年齢も性格も異なる人間が主人公ですが、このソーとラナークは同一人物では無いけど同一人物。(ギリギリ、ネタバレでは無いと思いますけど。。。 )

でも、物語の主たる主人公はラナーク。

ここらへんの詳細は是非読んでいただきたいところです。


あと、この作品の書評で、“文芸評論”とありますが、“なんじゃそれ???”と思いながら第四巻のあとの“エピローグ”で

「な!?なんじゃあそりゃあぁぁぁぁL!?」

とソファーから転げ落ちそうになりましたw コレも是非皆さんに読んでいただきたいところ。





このアラスター・グレイというオッサンは“凄い”と思いましたよw

万人受けでは無いと思われるので、

あえて、声を大にしてのオススメは、よくよく出来ません
       
      

声を小さくしてなら、

オススメです!といえる感じw

なにせ、サラッと読もうと思えばサラっと読めますけど、深く読みとこう と思えば果てしなく深く読めます。

なにせ、完成まで20年。

それが、本書

ラナーク



『ラナーク  四巻からなる伝記 』 








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コメント

予想外の

早いレビューのupに驚きです!
お疲れ様でしたv-425
それだけ「読み耽られる」小説だったってことですよね。
(イチさんのレビューを拝見して、この作品を
『小説』という言葉でくくっていいのか?と
思っておりますが・・・)

ドグラ・マグラを読んだ時は「なんじゃこりゃあ?!」の
連続でしたが、そんな感じが4巻分も続くのであれば、
本を手にしただけで「酔って」しまいそうです。
ラナーク、おそるべし。。。
ぜひぜひ読んでみたいです!!

ドグラ・マグラwww

いつもコメント有難う御座います“はてるま”様♪

驚きました。

というのも、“酔う”のクダリの例えで、一度は“ドグラ・マグラ”の名前を買いたんですけど、消去したんですね♪
“あれ???消し忘れていたのかなぁ・・・”

と思いまして、驚きましたw

比較的、一巻・二巻のソーの物語には“酔い”は無いですけど、三巻・四巻は酔いました^^

でも最後の“なんじゃぁそりゃぁぁぁ!!!!”は凄いですよ!!!
アレに勝る作品は無いかも知れませんw

余談ですが
ドグラ・マグラを初めて読んだのは高校生の頃ですが、じつは当時、その本を薦めてくれたのも、同じく“書痴なアンチクショウ”なわけなのです。

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